ハゲのトリセツ

毎日たのしーなー。

この気持ちもいつか忘れる(191日目)

 

タイトルは作家住野よるさんの小説です。男子高校生と異世界女子とのファンタジー的な物語ですが、40も過ぎるとこのタイトル、物語とは何ら関係なく別な意味を感じ取ってしまいます。

 

人は過去を忘れていく。

 

この世界にその人がいたこと、その人を取り巻く物があったことが風化していく。

 

そんなふうに。

 

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この窓からの風景も.......

 

年齢を重ねると「思い出の風景」ってのが増えてきますよね。実家の周りの自然や人間模様、よく通った道沿いの建物………。

 

でも、こちらが年を取った分、その風景も移り変わっていくのは当然で、ある日、ふと気付くんです。

 

あれ、ここにあった家、取り壊されたの? って。

 

好きだった人が亡くなっていき、その人を好きだった気持ちも失われていく。

 

そんな意味にとらえちゃう。

 

「なんだ急に染みやがって」。そう思われても致し方ないです。ウエットな気持ちになったのは、以下のような文章に出会ったからでして。

 

毎日新聞投稿コーナー「女の気持ち」より。

 

亡くなった父は明治生まれで「男子厨房に入らず」と教えられて育った。私が実家で暮らしている間、父が台所にいるのを見たことは一度もない。

 

だから驚いた。東京に住み、学生をしていた頃、夏休みで帰省した日のこと。父が台所でインスタントラーメンを作っているではないか。玄関で「ただいま」と言おうとして、「た………」と途中で言葉が切れ、父を見た。

 

父も突然現れた私にびっくりしたようだ。台所にいる姿を私に見られたのが恥ずかしくてならない様子で、赤くなりながら照れたような、はにかんだような笑みを浮かべ、「たまにはこんなこともいいよ」。ばつの悪い思いを抱え、私は「何も見なかった、聞こえなかった」というふりをして台所を離れた。

 

母は家事だけで畑仕事も山菜採りもしていない。「父にあんなことをさせるなんて。出掛ける前におにぎりぐらい作ればいいのに」。そう思った。

 

あれから何十年もたった。責められるべきだったのは、母ではなく私だと今、やっと気付いた。

 

あの時、私がラーメンを作ってあげたら、父はどんなにうれしかったか。今の今まで思いつかなかった。なぜ気付かなかったのだろう。悔しい。

 

父に次いで母も亡くなり、あの家も台所も、今は幻。この世から消えて久しい。後悔だけが消えず、時折、私の胸を刺す。スーパーの売り場で、にぎやかに並んだインスタントラーメンを見ると、つい目をそらすようになった。

 

これを書いたのは千葉の81歳の主婦です。「学生のころ」とあるので、60年ほど前のお話なんでしょう。

 

男子厨房に入らず、に象徴されるように古い価値観のお話なのかと思いきや、さにあらず。最終段落に至って涙腺が緩んでしまいました。

 

「父に次いで母も亡くなり、あの家も台所も今は幻。この世から消えて久しい」

 

この一文で、主婦さんのご家族について、ものすごくたくさんの想像をしちゃって。

 

我が身に置き換えてみると、今、実家を建て直して二世帯住宅に暮らしています。2階部分に妻と娘と。

 

1歳になったばかりの娘は当然ながら母親べったりで、どこにでもハイハイで付いていって、母親が台所にいると、自分もおもちゃを持ち込んで遊んでいます。

 

私はと言えば、妻と2人、いろんな家具を組み立て、1年近くかけて今の居住空間を作りました。

 

娘が寝静まった夜、2人でいろんなことをしゃべって、テレビを見て笑って、時折けんかしています。

 

hagenotorisetsu.hatenablog.com

 

そんなこともいつか、なくなるんだよなあ。

 

育った実家を私が建て直したように、思い出を紡ぎつつあるこの家も、いつかなくなるんだろうなあ。

 

何十年か先に、黄金色の思い出として頭に浮かぶんでしょう。主婦さんのように。

 

今を大切に生きないと。

 

そう、強く思わされる文章でした。

 

そのためにも、ハゲ克服よ。ハゲ。あいつら敵だから。マジで。

 

AGA(薄毛)治療生活は191日目です。今日はこんな感じ ↓


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 ありゃ。ピンボケの上に、髪の毛ぐちゃぐちゃだった(笑)