ハゲのトリセツ

毎日たのしーなー。

万引きとハゲ(190日目)

 

現在63歳になるその男は、2018年9月8日午後6時ごろ、ある生協の店舗で、パック寿司など1万1635円分をジャンパーの中に隠し入れ、そのまま盗んだ。

 

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生協のパック寿司、けっこう好きです

 

半年ほどした2019年2月15日正午すぎには、別のスーパーで焼き芋1パックなど1364円分を、やっぱりジャンパー内に隠し持って万引き。店の警備員に見つかって現行犯逮捕され、警察官に引き渡された。

 

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ジャンパーの中もホカホカだ

 

生協で事件を起こした際、男の所持金は百数十円だった。

 

男は高校卒業後、飲食店の従業員などをして過ごしてきた。これまでに前科8犯。いずれも似たような窃盗事件で、所持金の少なさから万引きして食い物を手に入れようとしてきた。8犯のうち2011年以降が4犯と、このところ犯行を繰り返しては捕まっている。

 

「86歳になる母親が老人ホームに入っていて、ホーム内でパーティーがあるのでストッキングを持ってくるよう言われたが見当たらず、ホームに行く途中にある生協にあるかと思って店に入った」

 

「スーパーの件は、以前訪れた時に焼き芋があるのを見ていたので、母親の誕生日が2月7日だったから焼き芋を土産に顔を出そうと思って」

 

男は当局の尋問にそう答えた。

 

理屈が合うように答えているようで、その実はウソを並べ立てているに過ぎないだろう男。当局が畳みかける。

 

「生協に行った時の所持金は百円くらいだろう。どうやってストッキングが買えると思ったの。だいたい1万円以上、取っているじゃないか。ストッキングを買いに行って、なんでお寿司がいるの」

 

しどろもどろになる男。「いや、お店には悪いと思っていて………」

 

当局「お店だけ? お母さんを言い訳に使ってない?」

 

男「はい、取った物を持って行っても母親はどうかなと思うでしょう」

 

言い訳をしていた、親のためだと言って現実から逃げていた、自分は心が弱いと続ける男。でも、まだ心に仮面を付けている。

 

「お金がないのが一番の原因だ」
「がんや脳腫瘍で、闘病もあるから心が弱くてそっちに走っちゃう」
「母親の介護を1年くらいやっていた。要介護4で徘徊や幻覚、幻聴がある。今は老人ホームに入っているが、介護疲れでストレスがたまってやってしまった面もある」

 

稼ぎがなくても普通は盗んだりしない。
病気で不安だからといって万引きはしない。
結局、母親を言い訳にしているじゃないか。介護疲れは窃盗の理由にならない。

 

最後は萎れるようにうなだれた男。「市役所に行って身の振り方を相談したい」

 

神妙に語るから何を相談するのかと思えば、「今は母親の年金で生活している。母親と自分の年金のことと、生活保護を受けられるかどうか」。汗水垂らして働く気はないようだった。

 

この男が本気で出直そうと決意したのか、はなはだ疑問だ。

 

「被告を懲役2年に処するのが相当と思料する」

 

法廷で求刑された男は、ハゲていた。

 

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