ハゲのトリセツ

毎日たのしーなー。

鼻の奥がツンとした(86日目)

人が感情を揺さぶられる時って、背景に「流れた時間の長さ」があると思っています。

 

高齢者の運転する車が幼い子をはねたーーー。その事実そのものもショックですが、奥さんがその子を身ごもって、十月十日待ちわびて、夜中にギャーギャー泣くのをあやして、立ち始めたら転ばないよう見守って…。そんな歳月が想像できるから、他人でも悲しさがこみ上げるのではないでしょうかね。

 

2019年7月12日付の朝日新聞に掲載された益田ミリさんのエッセー「オトナになった女子たちへ」も、そういう背景が詰め込まれていました。

 

夕暮れ時、自転車でスーパーに向かいながら思い出したことだそうです。

 

今はもうこの世界にいない好きだった人たち。頭の中に浮かんだ「会いたいなあ」という言葉が悲しみを連れてくる。冷蔵庫をのぞきこんでいた後ろ姿までが思い出される。

飼い猫のことも思い出す。キジトラの雄猫。名はコロン。さわると噛みついた。抱っこもきらい。膝の上に乗ってきてくれたことなど一度もなかった。

ふれあえない猫だったが、家族はみなコロンを大事にして、中でも父が一番かわいがった。「コロンべぇ」。父が呼ぶと飛んで行った。おやつをくれる人、として認識されていたに違いない。

実家に戻っていたある時、廊下で父がコロンに話しかける声が聞こえた。

「コロンべぇ、お父さん、もう寝るぞ」

娘二人も家を出て、妻と猫との日々。「お父さん」と呼ばれることがなくなった家で、父はコロンのお父さんになっていた。

父が死んで一年が過ぎた頃だっただろうか。帰省中はいつも父が使っていた部屋で寝起きしているのだが、夜中、トイレに立った時にふすまを勢いよく開けてしまった。

まるで父の開け方そっくり。どこかで寝ていたコロンが慌ててやってきた。覚えていたのだ。

わたしは暗い部屋でコロンに言った。

「コロちゃん、お父さん、もうおらんのやで」

言ったとたん泣けてきた。

そのコロンも、もういない。

おじいさんになったコロンは機嫌よく背中をなでさせてくれるようになっていた。

自転車をこぎながら、「コロンなでたいなぁ」と言ったら鼻の奥がツンとした。(一部略)

 

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猫をめぐる物語

 

なんだか染みちゃって。オジサンは涙もろくていけねえや。

 

猫は老化すると一日中寝ているようになります。

 

年老いた猫をなでると、毛が全体的にぺたーっとしてきて、毛割れも出てきます。

 

それが、ふすまの音一つで飛び起きて、走ってやってくる。その音を立てていた人はもういないのに。毛割れが出るほどおじいちゃんになるまで、年老いた飼い主と過ごした日々が想像されましてね.......。

 

hagenotorisetsu.hatenablog.com

 

猫も人間と同じ。だんだん容貌が衰えていきます。まあ、ハゲる場合は皮膚病とかなんで、それは病院へ、ね。鼻の奥がツンとしてくるから、本日はこの辺で。

 

あ、AGA治療生活86日目です~。


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